白梅学園清修中高一貫部

医療分野への貢献を目指して

1期生 Y.M. さん

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2012年3月に清修を卒業後、横浜市立大学にて生命医科学を専攻。Ⅱ型糖尿病のメカニズムに関する卒業研究を通じて、医療分野での活躍を志すようになる。その目標を達成する素地をつくるため、2016年に英国・スコットランドのエディンバラ大学バイオテクノロジー専攻修士課程(University of Edinburgh, MSc Biotechnology)に進学。現在は製薬会社に就職し、医療の発展に貢献すべく日々奮闘中。

 

 

清修卒業後から現在に至るまでの経緯について

 高校生の私にとって、生物がとても緻密なメカニズムで動いていることを学べる生物の授業は、常に好奇心を刺激してくれる楽しい時間でした。そこで、大学では生物学をもっと深く学んでいきたいと思い、横浜市立大学に入学しました。
 大学での学びで一番印象的だったのは、生物学の魅力は、生き物のメカニズムそのものの面白さだけでなく、それを応用すれば人々の命を救える技術が創り出せるという点でした。例えば細胞の初期化の研究はiPS細胞の樹立に繋がったこと、細菌の免疫機構を応用してゲノム編集技術CRISPR Cas9ができたことなど、これはすごい!と思える技術に出会いました。それがきっかけとなって、この面白い分野で将来仕事をしようと決めました。また、こういった分野で活躍するためには、もっと成長して、グローバルな経験もしたいと考えた私は、大学3年生の時に大学院留学を決断しました。目的はバイオテクノロジーが医療にどう貢献しているかより詳しく知って、自分が将来どのような仕事をしたいかヒントを得るためです。
 エディンバラ大学では、まさにそのような目標が達成できるような環境が整っていました。バイオテクノロジーそのものを体系的に学ぶのはもちろんのこと、経済的・社会的な側面からも考察し、実際に医療を変えるにはサイエンスだけではなく学際的な知識が必要だと学びました。
 留学で得た経験を土台に、現在は製薬会社で働いています。どうしてこの会社を選んだかというと、がん細胞の特定の分子を狙い撃ちできる薬に関連した分野に強みがあり、今後増え続けるがん患者さんの健康に貢献できると思ったからです。この分野はエディンバラ大学の講義の中で一番感動し、将来に繋げたいと思う内容だったので、これから活躍していきたいと思っています。

 

留学体験を通して学んだこと iGEM (300x240).jpg

 留学を通して得た学びの一つは、将来こうなりたいというビジョンを持つことの重要さです。それを実感したのは、私がエディンバラ大学修士チームの一員としてアメリカ・ボストンのMIT(マサチューセッツ工科大学)で行われた合成生物学の国際大会iGEMに参加した時でした。
 この大会は各チームが生物(大腸菌やウイルスなど)に新しい機能を持たせることで、いかに世の中の諸問題を解決する手段を提供できるかを競うものです。日中はそれぞれのチームがプレゼンを行い、自分達のチームのアイデアを発表しているのですが、夜になると実際にそのアイデアを活用して起業したいと考えている世界各国の学生達が、起業してくれる仲間探しをしていたのです。自分のアイデアで世界を少しでもよくしようという熱意や、それを語っているときの皆の生き生きとした明るい表情にとても感動したのをよく覚えています。それは日本では見たことのない光景でした。
 それ以来、私もそうやって顔をキラキラさせながら「こんな風な未来を実現したい」と語れるようなビジョンを持ちたいと思っています。明確な目標ができれば、現在の自分から逆算して、どんな戦略が必要かもクリアになってくるものだと思います。(写真:合成生物学の国際大会iGEMに参加して金メダルを獲得)

 

清修での学び:思い出、そして今に生かされていることdissertation submission (300x200).jpg

 清修の思い出の一つは、部活がなかった分放課後に友人と一緒に勉強をする時間がとても長かったということです。明るく開放的なラウンジで飲み物を片手にリラックスしながらよく勉強したのを覚えています。
 時には話が脱線して皆で笑い転げていた楽しい時間もありました。こうして複数人で勉強すると、自分の分からないところを気軽に聞けたり、逆にその友達に教えてあげたりして議論が盛り上がりますし、何より記憶の定着率がとてもよかったのを覚えています。こういう勉強法の楽しさを知ることができたのはとても良かったと感じています。
 実は、この勉強スタイルはエディンバラ大学でも私を助けてくれました。一学期目、右も左も分からずパニックになっていた私は部屋に籠り、一日8時間近くかけて1コマ分の文献やノートを読みながら一人で勉強していました。しかし、そんな努力も虚しく、成績は及第点ギリギリ。二学期もこのままの勉強法ではいけないと考えていた時、ちょうど清修での勉強スタイルを思い出しました。そこで、同級生達を捕まえて一緒に勉強してみると、面白いくらい効率よく勉強ができました。約3分の1の試験対策時間で点数は20点以上アップしました。一学期に泣きながら勉強した分、この時の喜びは一入でした。(写真:修士論文提出記念パーティーにて、クラスメイトと)

 

今後の目標

 私はこの4月から社会人となり、ようやく実際に医療分野に貢献できるスタートラインに立つことができました。当面の目標は周りの方から信頼されて、一緒に仕事がしたいと思ってもらえるような人間に成長することです。
 それを達成する為に実行しようと考えていることが二つあります。まずは、がん関連の知識を深く理解して、人に分かりやすく伝えられるようになることです。そして、二点目は医療の現状や課題などの社会的な面も知ることで、会社の歯車として働くのではなく、自分個人としてこの業界にどんな貢献がしたいか考えられるようになるということです。
 この二点ができれば、自分から積極的にこういう仕事をしたい!と思いつくことができて、結果として周りの方と面白い仕事ができるのではないかと感じています。

 

在校生へのメッセージUniversity name (300x200).jpgのサムネイル画像

 皆さんにはこれから大学で学んだり、社会人として働いたりと、人生で一番楽しい時期が待っています。その時期をより楽しくする秘訣は、自分の気持ちに素直になって、自分がやりたいと思うことに果敢に挑戦してみることが一番だと思います。
 やりたいことの大小に関わらず、やってみたいという気持ちがあり、それを行動に移せれば、思わぬ収穫が得られます。それは、自分が将来仕事にしていきたいと思えるような何かかもしれないし、生涯親しくしたいと思える友達かもしれません。
 私個人の一番の挑戦はイギリス留学でしたが、やはりそれを通して将来やりたいこともクリアになりましたし、何より世界中に自分のことを応援してくれる仲間が得られました。留学を決意するのは本当に勇気が必要で、留学前は不安な日々も過ごしましたが、留学を終え日本に帰国した今、勇気を振り絞ってやりたいことに挑戦した経験ができて人生が変わったと感じています。
 これからは人生100年時代。残り80年以上ある人生を、おばあちゃんになっても元気に楽しみ続けるために、今から楽しいことを追求する習慣をつけましょう!

(写真:エディンバラ大学キャンパス内にて、iGEMのチームメイトと)

 

2018年6月28日掲載

 

 

 

 

 

 

 

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