白梅学園清修中高一貫部

国際機関で働くために

1期生 M.I. さん

Profile Photo-Dissertation (300x240).jpgProfile

2012年3月に清修を卒業後、創価大学にて平和学を専攻。学士課程を修了後、英国・ブラッドフォード大学紛争解決学専攻修士課程(University of Bradford, MA Conflict Resolution)に進学し、修士号を取得。現在は青年海外協力隊(JICA)の隊員としてコスタリカに赴任し、環境教育に携わっている。

 

 

 

 

 

清修卒業後から現在に至るまでの経緯についてCostarica (252x300).jpg

 高校時代に紛争地における医療事情についての記事を雑誌で読み、紛争解決や難民問題に興味を持ちました。これを機に、5年(高校2年)では理系コースを選択していましたが、6年(高校3年)からは文系コースに転向し、その分野の学びを求めて進学しました。大学2年次には、国連主体の難民支援NGOで1年間インターンをしたことも刺激となり、学士課程では平和学を専攻したいという思いが強まっていきました。
 大学院進学を決意したのは大学3年次の12月でしたが、その前から自分の学びたい内容はイギリスでしか学べないことがわかっていたので、常に進学に向けて勉強をしていました。ちょうど入りたい3・4年ゼミも教授がアメリカ人だったため、1年時から英語での論文執筆について学ぶ授業などを取るようにしていました。取りたい授業もたまたま留学生中心で、英語で行われるものが多く、自ずと英語力が身につきました。課外活動面では、進路につながるようなインターンシップや、塾講師、大学内で非英語圏の生徒に英語を教える教師としてのアルバイトなどをしていました。
 大学院進学後は、ジェンダーや宗教についての学びを深めていきました。それらはコミュニティを知るためにはとても大切な要素なので、業務を遂行する上でとても活きています。在学中は勉強が忙しく旅行にもいけませんでしたが、同期や大学の先輩の友達などにも本当にお世話になりました。彼らの支えがあったから修士号を取得できたと思います。
修士論文ではアフガニスタンにおけるイスラム教マイノリティ(イスマイリ派)女性の権利と教育について執筆しましたが、このテーマも友達のおかげで出会うことができました。大学院での学びは友達と切磋琢磨できたこともあり満足しています。一方で、アフガニスタンは現在渡航禁止のため現地調査ができず、まだまだ学びたいことは残っています。
 帰国後すぐに協力隊の訓練が始まり、現在コスタリカのエスカス市役所環境課にて勤務しています。協力隊には、さまざまな経験や思いが積み重なって応募にいたりました。もともと小学生のころに元協力隊の方から体験談を聞いてずっと憧れていたこと、そして、環境問題にも小さいころから関心があり、大学院で学んだ際に持続可能な開発(SDGs)の大切さを学んだこと、さらに、留学中に周りにとても助けられたので、今度は私もほかの国に貢献したかったということと、協力隊での経験は第2言語習得や地元地域に入り込んだ活動ができるという点で地域レベルの視点を学ぶことができるということ、これらが理由として挙げられます。

(写真:コスタリカ・エスカス市の伝統的な牛車のお祭りにて、生まれて初めての牛車体験)

 

大学の友達 (278x300).jpg留学体験を通して学んだこと

 海外での生活で痛感することは、私達は支えてくれる人たちのおかげで生活できているということです。留学を通して、日本の家族が元気で、先輩たちが大学に寄付してくれたお金で奨学金をもらえ、そして現地の友達や同僚が支えてくれたおかげで、今の私があると実感するようになりました。
 私はイギリス留学中のクリスマス休暇で旅行したデンマークでひったくりに遭い、学生ビザとお金を盗まれてイギリスにも日本にも帰れなくなりました。その時、イギリスと日本の友達が必死に励まし、お金を送ってくれただけでなく、デンマークに住んでいる知人を探してくれて助かることができました。結果的に23日間デンマークから出られませんでしたが、その時にタダ同然で泊まらせてくれた人たち、洗濯や食事の世話をしてエッセイ(冬休み明けが課題の締切でした)を書くためにパソコンを貸してくれた人たちがいました。そのおかげで私はイギリスに戻ることができただけでなく、課題も無事に提出することができました。(イギリスの大学院修士課程は一年間の課程なので、課題を出せないとその年に卒業できません。)
 一緒の学生アパートに住んでいた学生も様々な国籍や宗教でしたが、病気にかかったときや悩んだときには励まし合いました。コスタリカでも、現地のホストファミリーが娘同然に可愛がってくれるので、大変なことがあっても元気に生活できています。そういう人たちに恩返しができるように頑張りたいと思う毎日です。

(写真:大学のインターナショナルフェスティバルにてシエラレオネ出身のコースメイト達と。彼女たちはとても料理上手。)

 

清修での学び:思い出、そして今に生かされていること

 一番の思い出は、6年間の中高一貫女子校で部活もなかったため、勉強も遊びも全力で集中できたことです!塾に行かず部活もなかったので、毎日朝早く来て夕方まで勉強していた記憶があります。女子校なので先生に言えないような話も友達として毎日大爆笑しました。
 また、本もたくさん読めて、それが今の語彙力につながっていると思います。どの言語を話すにも母語できちんと表現できないと言語は上達しないので、物事を考え吸収する時間があったこと、私立の中高一貫に通わせてくれた家族や、お世話になった先生方には感謝の気持ちでいっぱいです。
 入学したばかりの頃は、特に理数系の成績が悪く、授業には怖くてお腹が痛くて出られないときもありました。それでも、必死に勉強して放課後のゼミにも出るうちに、気がついたら理数科目が大好きになっていました。英語に関しては担当してくださった先生と最初は衝突ばかりでしたが、勉強するうちに先生が何を言いたいのかがわかり、勉強や人生に対する姿勢を教えてくれたことには今でも感謝しています。
 海外研修では、英国研修(※1)で英語が上手く話せず、アジア人であることもからかわれたことで悔しい思いをしましたが、負けまいと勉強した結果、EU研修(※2)では会話に困らずとても嬉しかったです。現在赴任しているコスタリカの公用語であるスペイン語も、中高の勉強法のおかげで3ヶ月間の訓練後は日常生活に困らない程度まで習得することができました。清修での6年間は最高の思い出です。

 

※1 英国研修は1期生から10期生まで実施。13期生入学生より国内英語実践研修に変更。
※2 EU研修は1期生から7期生まで実施。8期生から12期生まではカナダ研修に変更。


今後の目標 Costarica2 (300x221).jpg

 将来は国際機関で働くことを目標にしています。できればジェンダー平等(Gender Equality)や開発(もし今の仕事とつなげるならば、廃棄物処理などを含めた持続可能な開発、大学院での学びとつなげるならば女性の権利拡大などを視野に入れて検討中)、教育の分野で働こうと思っていますが、まだ未定です。それには修士号や英語と第二外国語以外にも精神力や“人間力”、専門性などが必要となります。常に人間性を高めて勉強も続けていかなければならないですが、将来がとても楽しみです。女性として直面する問題や家庭の問題なども出てくると思いますが、諦めることなく他の女性の励みになれるように頑張りたいです!

(写真:エスカス市にある山。エスカスは山と高級住宅街が入り混じった街。)

 

在校生へのメッセージ

 このようなことをこの場で述べることがふさわしいのかはわかりませんが、一番大切なことは大学名や肩書き、経歴よりも人間性や自分が何をしたいか、何を勉強したいかということだと思います。
 今は受験のための勉強や友達と比較してしまったり、辛いと思ったりすることが多いと思います。私も6年間は楽しいことと辛いことが半々でした。でも、辛いときは一番大きな成長の機会です。何のために勉強しているかわからないこともあるし、理系が文系科目を、文系が理系科目を勉強するのは無駄だと思うかもしれません。でも、どの科目もジグソーパズルのようにつながっていて、いろんな国の人と接する上で欠かせないと思います。(教養を身につける、ということです)。
 理系から文系に6年生で移ったことで多くの困難が立ちはだかりましたが、そのおかげで教養が身についたので、今から考えればよかったと思っています。教養という意味だけではなく、私のように急にやりたいことが変わる場合や、日本で学びたいことが学べなかった!という事態に備えて、将来の選択肢を増やす意味でも、悔いなく勉強をして、本を読んで、友達や家族との時間を大切にしてほしいです。
 最後に私の好きな言葉を紹介します。
  “冬は必ず春になる”
  “In the middle of the difficulties, lies opportunity”
 最初の言葉は”冬のようにつらい季節のあとには春のような季節が必ずくる”という意味で、二番目は“困難の中にチャンスがある”という意味です。
 みなさんが困難に負けず悔いの無い学校生活を送れるように祈っています!

 

2018年8月8日掲載

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